今日が最後の更新です。「3ヶ月だけください」と題したこのブログで何か書くのは、これで最後となります。最後なので「書き足りなかったこと」がお題として与えられているのですが、なんだろう、あまりないなあ、というのがわたしの結論。
書き足りないことがあるかないか、を判断するとき、じゃあここで何を書きたかったんだろう、を考える必要があると思うのですが、たぶん、これ、という書きたいものは、無かったような気がします。もしかしたらぼんやりあったのかもしれないけれど、強く主張するほどのものではなかった。じゃあ何がしたかったのか、というと、新しい場所、新しい座組みで、自分から何が出てくるのかを見てみたかったんだ、と思いました。
それでタイトル、ちょっと昔の歌のタイトルなんですが、「パステルズ」というバンドのバッヂを外し、引き出しにしまったら「さようなら」を言おう、という、少年の成長を感じさせる歌詞で、すごく好きなんですね。「好きなバンドのバッヂを外す」というのに少年時代との決別の意志を感じつつ、それを捨てるわけでもなく、引き出しにしまったうえで「some kind of happy birthday」と歌うのも、明るく前向きな印象で、あどけない歌声とあいまって、青春の匂いを感じます。わたしにとっての青春時代は、遥か過去のことですが、それまでの自分から決別し、大好きなバンドのバッヂを外して前に進む、という経験は、未だにあります。大好きなもの、大切にしていたものを自分で手放して、次に進む。少し寂しいけど、清々しい明るさがある決意です。
仕事や連載を持ちながら、この企画に参加するのに迷いがなかったと言えば嘘になります。時間は有限だもんね。でもそれでも、春を迎えようとしていたあの時期、たぶんわたしは新しい何かを欲していて、今までの自分と決別できるきっかけを探していたのだと思います。今までしたことのない試みに飛び込んで、自分がどう変化するか、何を手放して、何を手に入れるかを、知りたかった。
結果、3ヶ月だけのこの企画を通じて、わたしが得たものと手放したもの、それぞれありました。それを決断したのは他でもない自分で、決断するためのきっかけをくれたのは、この企画を一緒に試みた、他の3人でした。これまでのエントリでは、他の3人について意図的に触れませんでしたが、自分とはまったく違う属性の彼らとこの企画をやれたのは、すごく良かった。性別、年齢、ライフスタイル、性格まで含めて、笑えるほど4人それぞれ、バラバラです。こんなにも彼らと自分は違っていて、でも、この企画をやろうという意思決定をしたのは一緒。すごく不思議だなと思いました。
そしてそうやって「他人とわたしは、こんなにも違うんだ」と思いながら関わることでしか自分は変われない、というのを改めて実感できたのが、得たものの中では一番大きい発見だったかもしれません。
心残りとしては、せっかくいつも1人でやってる人間同士が集まったんだから、もっとわやくちゃに混ざってもよかったかな、というくらいかな……。それでも見事にマイペースな4人が、お題に対してフワ〜ッと集まってフワ〜ッと書く、みたいなのは面白かったです。あと、「毎週木曜に更新」というのも、久しぶりの感覚で楽しかった。惜しむらくは、このブログを読んでくださっている方から「俺にも一言言わせろ！」というものを引き出せなかったことで、これは我々の力量不足かもしれませんね。
「肉体は遺伝子の乗り物である」という言葉が好きなんですが、乗り物であるこの肉体が朽ちる前に、いろんなことを試して、知って、覚えて、手放して、またつかまえて、大切にしたいと思えるものをどんどん増やしていきたいので、今回はこれで一区切りですが、また懲りずに何かを企てて、今、このモニタの向こう側にいるあなたたちも巻き込んだ、面白いことがやれたらいいな〜と思っています。
最後になってしまいましたが、ご一緒してくださったチェコ好きさん、池田さん、いぬじんさん、本当に、ありがとうございました。近いうちに、また！
今日はそんな感じです。
チャオ！
GOODBYE OUR PASTELS BADGE - さようならパステルズ・バッヂ ...
著者プロフィール
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