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毎回1つのお題に4人のブロガーが答えていく期間限定ブログ

恋してるとか好きだとか

今回のお題が「人生に恋愛が必要な理由」だと知ったとき、正直、うわあ、やりにくいなあと思いました。あといきなり「必要な理由」っていう、「必要かどうか」の問いをすっ飛ばして「理由」に来ちゃってるあたりも、アグレッシブですよね。最初にぶっちゃけると、やりにくいと思った理由として、わたしは離婚歴があるので、「恋愛を発端とするパートナーシップの構築に失敗した人間」というコンプレックスが、どこかにあるせいだと思います。
とはいえもともとが惚れっぽくて、誰かの良いところを見つけて好きになるのが得意なので、「恋愛体質」と言われることもあるのですが、自分ではそうなのか、よくわかりません。
そう言うと「一度は結婚してるんだから、そんなことないでしょ」と言われることもあるんですが、恋愛と結婚は全くべつもので、なんていうんだろう、極論、「結婚」は誰でもできる、と思うんですよね、定義がシンプルなので。婚姻関係として戸籍に登録されていれば、それは「結婚」できてるじゃないですか。本当に好きな相手としたい、とか、経済的な不安がない相手としたい、とか、親が了承してくれる相手がいい、とか、いろんな条件があるからハードル高く見えるだけで、結婚は婚姻届に記入して必要書類を添付し所定の役所に届け出るだけで、一応「出来て」しまう。

でも、恋愛ってそうもいきません。
テンションの違いはあれど相手のことを好きでいなきゃいけないし、愛情を注ぎ続けなければいけないし、世の中に魅力的な人ってたくさんいるのに、恋愛関係は「関係性をキープする努力」が必要で、すごく大変。なので、結婚をしたとき、「ああこれで恋愛市場というリングから降りられた、もうこれで闘わなくていい」とホッとしたのを覚えています。また、同じように離婚をしたときにも、「またあのリングの中に放り込まれるのか……」とうんざりしました。
「そんなの、自分から棄権すればいいじゃないか」と思うときもあるんですが、残念ながらそうやって割り切って生きるのもなかなかハードで、「独り身なのは、恋人がいないのは、かわいそう」という優しさをもって、またリングの中に放り込もうとする人たちがたくさんいて、そことの戦いもあるわけですね。困りましたね。

まあそれはいいとして、本題に戻るんですけど、そうやってまでして恋愛市場のリングに戻そうとする人たちがなぜいるか、というと、やっぱり「恋愛していたほうがいい」という価値観が、ゆるぎなく存在するからだと思います。でも、やみくもに誰かを好きなったり、ハードルを下げて「とりあえず」の恋人を作ることはなんとかできるかもしれないけれど、それはやっぱり「さみしさ」や「穴」を埋めるための恋愛でしかないので、結局はむなしい。

それは、そもそもの空虚から、目を背けているからです。

それでもやっぱり「人生に恋愛は必要か?」と聞かれたら、わたしはたぶん「イエス」と答えるだろうと思います。ただそれは、「空虚を埋める」ための恋愛ではなくて、「空虚を自覚する」ための恋愛として。

誰かの何かに惹かれるときというのは、それは自分が持っている何かが共鳴していたり、自分に欠けているピースを見つけたからなのではないか、と思うようになりました。恋愛をして、誰かを求めるというのは、同時に自分の空虚や欠落を意識することに近く、相手と自分との関係を通じて、自分自身の輪郭がくっきりと浮かび上がってくるような感触があります。そういう視点で芽生えた恋心を見つめてみると、そんなところに穴があったのか、わたしはそこに欠落を持っていたのか、と実感し、今まで見えていなかった自分の輪郭が、また少しカタチをあらわしたような気分になります。

わたしはそういう恋愛を、すばらしいな、と感じます。相手から何かしてもらうのを求めなくてもいいし、相手がわたしのことを知らなかったとしても、恋が成立してしまう。ただ静かに、ひそやかに恋心を抱いて、好き、という自分の「感情のざわつき」を見つめていればいい。さらに言うと、空虚や穴というものを、埋めようと焦る必要はありません。わたしは自分が持っている欠落をそのまま抱えて生きていきたいので、誰かとの関係でそれを埋めることは、求めません。ただ、自分のどこに欠落があるのかを、死ぬまでにできるだけたくさん、見つけていきたい。そのためにする恋愛、という意味では、確かにわたしの人生には必要なものだろうなあ、と思います。

ただ、これだと韓流スターだろうがアイドルだろうが、好きになれればそれでオッケー!ってことになっちゃうんですけどね……。あ、だから中年女性はアイドルにハマるのかしら?いずれにせよ、自分の価値観を他人に押し付けるのはよくないので、気をつけていきたいですね。


タイトルはフリッパーズ・ギターの曲タイトルから。どんな恋愛をしているときでもこの曲の歌詞のように「everything everything everything everything is fine」でいきたいものです。

さて今回のお題「人生に恋愛が必要な理由」、あなたはどう思いますか?


著者プロフィール

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ブロガー/ライター/会社員

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